Agenda de tous les jours

残すためではなく気づくため。自身の省察のためのブログです。

立ち止まり、振り返り、休んだらまた進む

「緊急事態宣言」が延長され、何のための「緊急事態宣言」か改めて考えて行動しなければならないなと思う。

そろそろ人に会いたい。飲み会に行きたい。オンラインはもう疲れた。

こんな愚痴も言いたくなる今日この頃で、せめて明るい未来が待っているならもう少し我慢できるのだけど…

さてさて、久しぶりの更新。

ということは一段落したということ。

先日、オンラインで所属学会の学生会員交流会というのがあって、話題提供を頼まれていた。

学会での学生・若手研究者同士の交流は、本来ならば学会の大会後の懇親会でやるべきところだけど、今年度はコロナで学会の大会もオンラインという形で縮小せざるを得ず、直接的な交流の機会が失われてしまった。

そこで、それに代わるものをオンライン会議システムを使ってやろうじゃないか、交流のための話のネタを提供してよ、ということだった。

具体的な話題としては、これまでどうやって研究・教育と子育てを両立してきたのかや、どうやって博士論文を書き上げたのか、DC2・RPD・PDといった学振採用の経験について、などなど。

話す内容を準備するにあたって、どうして研究者という茨の道を選択したのか、どうやって問題関心を育てていったのか、どういう人達に巡り合って自分は今に至るのか、などを振り返り、ノートにまとめる作業を行った。

その過程で自身のプライベートについても、「あの時、子どもをお腹に宿しながらよく頑張ったな」「あの時の保活辛かったな」「母乳育児かミルクか問題って実は女性にとってはデカいな」などと振り返った。

当初はパワポ資料を作成する予定だったけれど、本来ならお酒の席でワイワイとざっくばらんに話すような内容なので、できるだけフランクな交流の機会にできたらと思い、考えた。

そこで思いついたのが、アナログなフリップ芸(笑)。

逆に新しいのではないかと。

写真や図表などを多用して「じゃん!」とか言ってフリップをめくりながら話せば、聞いている方も飽きないかな、と思った。

実際には、午前中ということで全体的にテンション低めで、予定していた面白ネタはあまり出せずに終わったけれど、参加者からいろいろな質問を出してもらって、よい交流の機会になったのではないかと思う。

具体的な質問としては、以下のようなもの。

・博論はいつ頃どのように構想を固めていったのか。

・フランス語を聞いたり話したりする力はどうやってつけたのか。

・就職活動と博論執筆は、どういう割合で注力してきたのか。

・実際の博論審査はどういう過程をたどったのか。

・育児をすることによって研究にプラスの影響はあったか。

・今後の研究ではどのような展開を思い描いているのか。

この中でも特に、「育児をすることによって研究にプラスの影響はあったか」という点については、答えに窮した。

確かに、育児をすることによって学生に授業で教える時に、「うちの子の場合は…」と具体例を挙げながらしゃべれるのでポジティブな影響は感じることができる。

一方で、自分の研究に対しては、「フランスの共和主義云々」といったテーマ性は日常の子育てとはかけ離れていると感じてきたし、研究時間も短時間に限られ、子育てはむしろ研究の足枷にしかなっていないように思っていた。

答えに困ってしまい、同じく子育てしながら研究・教育をされている司会の先生に話を振ってみると、「自分は夫が同業者だから一緒に子育てしてきた感覚はあるけれど、旦那さんが会社務めのような場合だと、なかなか育児に参加してもらえず、なんで女性だけ…という感覚になるのではないか」と言われた。

また別の先生からは、「子育ての負担感が(研究テーマである)シティズンシップ」といった指摘をしていただいた。
これは「確かに」と思った。

また、「親として教育現場に関わることが増えるにつれて、フランスの学校とは全く違った日本の教育の負の側面も見えてくる」といった話も話題に上がった。

本の学校のいわゆる一斉共同体主義によって、子ども達は管理され、どんどん自制心を植え付けられ、自然と幼少期のような自由で活気に満ちた発言をしなくなっていく、といった負の側面が指摘され、それはフランスの子ども達との大きな違いである。

こうして改めて自分の研究テーマと子育ての日常とのつながりを、今回の交流会で認識した。

「子育ての負担感がシティズンシップ」という、これまでジェンダー論者が主張してきたことを、男女の役割分業あるいは男性働き手モデルに大いに不満を感じてきたにもかかわらず、自分の研究テーマとしてこれまで真正面から向き合ってこなかったのだと思い知らされた気がした。

一仕事終えたら、自分を自分でねぎらってあげる(これ大事)。

ちょっと贅沢なランチを食べて次にやらなければならないことに取り組むとしよう。

↓ 写真はずっと行ってみたかった近所のカフェ・コパンさん(cafe copainへようこそ - cafecopain2015 ページ! (cafecopain-kiba.com))のサンドイッチランチと、その近くの公園の花々。

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春ですね~。