Agenda de tous les jours

残すためではなく気づくため。自身の省察のためのブログです。

論文執筆の合間に

前回の更新で「6月は頑張る」と自分に言い聞かせたのが功を奏して(?),ここ最近はもっぱら論文の執筆作業に集中できている。
論文のネタは去年の夏に学会発表したもので,寝かしに寝かしすぎてもう目を覚ますことはないんじゃないかと思うほどよく寝かせてしまったものだ。
学会で発表した原稿を論文として書き改める作業を通じて,「やっぱりおもしろい!」と妙に誇らしげになってみたり,「やっぱり紀要行きか!?」と不安になったり,まぁ情緒不安定にもなる。
ちなみに「紀要行き」というのは,学会誌に投稿してみてリジェクトされたものを研究室や研究科の紀要に回して確実に活字にすることをいう。
これまでの投稿がうまくいっているせいもあって幸運というか,それともただの遅筆というか,博士課程3年にもなって未だ紀要論文ゼロで,さすがにそろそろ肩の力を抜いた系の論文,あるいはいわゆる「就職用の論文」を紀要に載せておきたいものである。
とはいっても,やっぱり書いていると人間欲が出るもので,どうにか紀要ではなく学会誌に載せたくなる。
まぁ,書いているときはより高いクウォリティを担保するためにも学会誌に載せる気概で書く方がどちらにしてもいいのは言うまでもないけれど…。
そんなこんなで,現在執筆中の論文も最終局面に差し掛かっている。
あとはロジックの整理と見せ方の工夫かな,と思いながらアイディアの神様が降りてくるのを待っている。
そこで今日は気分転換も兼ねてちょっと読書↓
J.=P.シュヴェヌマン・樋口陽一・三浦信孝『〈共和国〉はグローバル化を超えられるか』平凡社新書,2009年。
2008年に恵比寿の日仏会館で行われたシンポジウムの記録が新書になったもので,著者の三氏と会場との討論の箇所では若かりし自分もちょびっと顔をのぞかせている作品。
改めて読んでみると,下世話な感想でお恥ずかしいけれど,やっぱりおもしろい。
さらにバカ丸出しだけど,やっぱり樋口先生いいな,と思う。
こういう本を読んでいて思うけれど,「こういう問題は大事だな」とか「こういう指摘はおもしろいな」とか,なるべく多くの人に思われる方がきっと研究者冥利に尽きるんだろうな,と改めて思う。