Agenda de tous les jours

残すためではなく気づくため。自身の省察のためのブログです。

「市民性の教育理論」受講

今日から大学院の授業がスタート。
アメリカの政治哲学者,ロールズの研究で有名な川本隆史氏の「市民性の教育理論」という授業に出てみた。
受講者は結構いた。おそらく20人以上は。
たいていの授業は,その先生あるいはその先生による授業内容になんらかの関心をもって受講者が集まるのだろう。必修科目はともかく。
だから最初は先生自身の簡単な自己紹介や授業の進め方に関する説明から入る(たいていは教員側の自己紹介はない場合が多いけれど,川本先生は自分を語るのが好きな人だ)。
それが終わると,今度は順番に受講者側の自己紹介が始まる。
こういう時の自己紹介で人を惹きつけられるアピールのうまい人,気の利いた冗談で場を和ませられる人は本当にすごいと思う。
自分はそういうのが本当に苦手で,さっさと順番が回ってきてさっさと終えたいと思うタイプだ。
どうせみんなたいして聞いていないんだから,と思ってしまう。
自分の問題関心や研究分野について話したところで,一歩間違えば「さっさと終わらせろ」,「そこまでみんなあなたに興味ないよ」という,周りの視線を感じられないKY的な人になってしまいかねない。
だから自己紹介がうまい人と,KY的な人は実は紙一重じゃないかとも思う。
まぁ,そんなにいろいろ考えなくても聞いている人はちゃんと聞いてくれていて,あとあと覚えていてくれたりしたという経験もあったし,いかに手短に自己アピールできるかなのだろう。
その際,自分が聞いていてあとあと印象に残るのは,その人の出身地や,それまでどこで何をしてきたのか,卒論や修論で何を書いたのかというバックグランドかなと思う。
無意識のうちに自分との共通点を探してしまうからなのだろう。
だからこれから何をしたいかとか,今どこに所属していて何年目なのかというのは意外と残らない気がする。
そういうわけで,この1週間の授業開始週間というのは,否応なく自分がこれまで何をしてきたのかを語らされるわけだ。
ちなみに,以下が川本隆史「市民性の教育理論」で読む予定のもの。
・小玉重夫『シティズンシップの教育思想』白澤社,2003年
・岡野八代『シティズンシップの政治学―国民・国家批判』(増補版)白澤社,2009年
どちらもすでにじっくり読んだものではあるが,議論を通してまた違った見方ができたらいいなと思う。