Agenda de tous les jours

残すためではなく気づくため。自身の省察のためのブログです。

人事を尽くして天命を待つ ― 学振面接

今日,ようやく一つのことから解放された。
研究者の間では「学振」と呼ばれている,日本学術振興会の科学研究費申請のための面接である。
どうやら今年は運よく書類審査をパスし,面接までいった。
来年度から2年分の研究費・生活費が保証されるということもあって,とりあえず準備などの労力は惜しまなかったつもり。
昨日,指導教員と最終予行練習を行い,ポイントを確認した。
「結局,何を対象として研究するにしろ,どういうことを望んでいるのかという研究者の倫理みたいな側面は,必ず研究に反映されているもの」という指導教官の言葉には,改めて考えさせられるものがあった。
寝不足で頭が働かないということだけは避けたかったため,昨日は早めに帰宅し,そこからは一切練習せず22時には眠った。
朝6時には起床でき,寝坊でパニックという事態は避けられた。
外は冷たい雨。こういう日に限って…。
面接40分前くらいには会場に到着し,受付を済ませる。
係員が呼びに来るまで控え室で待つ。人文学・社会科学・工学・物理学など,各領域ごとに座るところがあり,とりあえず発表内容と想定問答を確認。
発表20分くらい前になると,係員に名前を呼ばれて面接会場に連れて行かれる。
自分と一緒に案内されたのはどうやらどこかアジアの留学生らしく,会場前にある椅子に隣同士で座っていると,英語でぶつぶつ練習しているのが聞こえてきた。
留学生は大変だなぁなどとひと事のように思いながら自分も最終確認。
こう聞かれたら,こんな感じで応えるかな。。面接会場を前にしてもなお,色々アイディアは浮かんでくる。
まぁ何を聞かれても大丈夫,意外と度胸はある方だ,ととりあえず自信を持ってみる。
面接は,発表4分・質疑応答6分の一人10分の流れ作業。
発表は,「これまでの研究業績」と「今後の研究計画」を記載したA0版のポスターを使用して行なう。
名前を呼ばれて会場に入ると,ホワイトボードには直前に預けておいた自分のポスターがすでに貼られていた。
面接官は向かって左に3人,手前に2人,右側にはタイムキーパーやポスターの着脱係として5人ほど。コの字型座っている。
ポスターから面接官までの距離は一番近い人で1mも離れておらず,一番遠い人でも3mくらいだった。
ポスターの字が少し細かいかなと気にしていたので,全然余裕なことに一安心。
伸び縮み自在の指し棒を手渡され,さっそく発表がスタート。
まぁ多少は噛んだかもしれないけれど,時間内に練習してきた通りの内容を話せた。
質問は2人の先生から。
一人の方は納得させることができたようだけど,もう一人の方は説明してもなんだか釈然とされなかったかもしれない。
実は事前の練習段階で,聞く方も難しいとわかって聞くと言われていた点ではあったのだけど,結果にどう響くか。。
結果は今月末に来るという。
人事を尽くして天命を待つ。
また,ここにこんなに事細かに学振の面接に関して記載したのは,学振の面接を経験した人達のブログを自分もだいぶ参考にさせてもらったからだ。
その節はお世話になりましたと,見知らぬ誰かにお礼を言わなければ。。
もちろん,指導教員や研究室の先輩達にも相当お世話になった。
今日ふと,面接が始まる直前に,やっぱり指導教員はすごいなと改めて思った。
指導生の研究を深く理解し,その意義を見出し,実際に研究を行なおうとしている本人よりも適切にわかりやすく説明してくれたりする。
そぉやって言えば伝わるんだ,と何度思ったことか。。本当に頭が下がる。
さらに,今日が近づくにつれて慌しそうにしていたせいか,研究室の後輩達にも「明日頑張ってください」と言ってもらった。
たかが一個人の学振面接なのに,なんて温かい協力体制だろうと改めて恵まれた環境にいることを実感した。