Agenda de tous les jours

残すためではなく気づくため。自身の省察のためのブログです。

前期なんとか駆け抜けた

前回の更新が6月1日で、あっという間に8月も半ば…

慣れないオンライン授業も8月7日に最終回を終えて、17日が期日だった成績の提出も済ませ、なんとか前期を走り切った。

コロナの影響で前期の開始日がGW明けになり、最終回もお盆前にずれ込んでしまったことで、当初の予定通りにしようとすると、授業の最終回から10日間で学生にレポートを執筆・提出してもらった上でこちらがそれらを読んで成績を判定しなければならず、それはお互いにとってかなり厳しいスケジュールになってしまった。

そこで他の先生方にも相談してみたところ、他の授業では、①レポートの提出期日を早めに設定する、②特に課題は出さず、毎回の授業後に提出してもらっている小レポートのようなものを予定していたレポート課題に替える、といった方法で対応されているとのことだった。

自分の授業の場合、①だと最終回までの内容を踏まえたレポートを書いてもらうことが出来ず、②だとシラバスとの整合性がとれない。

したがってどちらにしても、学生に理解と協力を得る必要があった。

そこで、学生たちが多くの課題を抱えていて、かつ慣れないオンライン授業にも根気よく対応してくれていることを考慮し、急遽②の方向で理解を得ることにした。

「それでは困る!」といった異論・反論なども受け付けてみたけれど、多くの学生がそれに理解を示してくれ、反対意見は出されなかった。

中には、「今まで以上に頑張って理解しようと資料を読む受講生が増えると思います」と言ってくれる学生もいてよかった。

こうして半期、オンデマンド型のオンライン授業をやってみて、学生にとっては肉体的にも精神的にも相当負担を強いていたし、授業をする側の工夫が求められることがわかった。

だからこちらとしても、なるべく学生の状況に共感してあげながら、できる範囲で分かりやすい授業を!と思っていたのだけど、そうした中で、学生の意見から気づかされたことがあった。

6月中旬の、前期も折り返しに差し掛かる時期に、授業を受講してくれている学生から下記の意見をもらった。

「オンライン授業になって家で一人、文章をひたすら読むのはとてもつらいです。でも、オンライン授業で良かったなと思うのは、リアクションペーパーがじっくり書けることだと思います。私は、授業内容を理解し、自分の中で解釈するのに時間がかかるため、普段の授業時間内で書くことが大変でした。それに、授業中も、リアルタイムで話が進んでいくため自分が引っかかった内容を深く考えられずにいました。それに比べたら、立ち止まって考えられるためオンライン授業も良い所があるなと感じます。また、先生の授業資料は、ちょっとした雑談もあり、紙ではあるけど、何だかつながっているような気がしてホッとします。今は分散登校などで子どもたちが少しずつ学校に行くことができるようになりましたが、先月まではそれができずに、このような自宅学習がほとんどだったと思います。直接会えない、同じ空間を共有できないときこそ、このような紙媒体でもつながりを意識してみることは大事だなと思いました。勉強になります。」

この意見になんだかとっても納得した。

そして、オンライン授業において大切なことは、個人のペースで立ち止まれる「余白」なのだと気付かされた。この「余白」があってこそ「熟考」や「心通う瞬間」が生まれるからだ。

今までのリアルタイムの一斉講義では、いかに置いてきぼりを作っていたか、教員の側は改めて考えなくてはならないだろう。

90分の講義にある程度の内容を詰め込もうとすると、それなりのテンポで駆け抜けてしまいがちだけど、大衆化した高等教育の質を担保するには、「大学ってそういうところでしょ」と置いてきぼりにされる学生の側に責任を全て転嫁してしまうのは危険だと思う。

こうしてなんとか乗り切ったオンライン授業だったけれど、どうやらこの状況は後期も続く見込みだ。

最終回の授業を終えて、学生からもらえた嬉しい言葉も以下にコピペして、後期へのモチベーションにしよう。

「半期オンラインという異例な状況でしたが、お世話になりました。最初は文字ばっかりで嫌だなと思っていましたが、図や表などもあったり、解説がわかりやすくて面白かったです。また他の学生のコメントが見れて同じ資料なのに、視点が全く異なっていたり、共感したりしていました。この状況はもう少し続くと思いますが、先生も体調にお気をつけて後期の講義頑張ってください。私もこの講義で学んだことを生かして頑張ります。ありがとうございました。」

「短い間でしたがお世話になりました。補足資料の最後に担当教員よりという部分を毎回楽しみにしながら読んでいました。このような授業形態だったためこのような最後にコメントがあると対面でなくても先生の様子や思いが分かることでき課題で追われて心に余裕がない時もあったけれど、コメントを読みなんだか心がほっとしていました。ありがとうございました。」

「先生へ
前期、本当にお疲れ様でした!
オンデマンドの授業で、動画などを用いないでここまで丁寧にレジュメを作ってくださったのは〇〇先生だけでした。(先生によっては、ワード1枚に参考文献なしの箇条書きで済ます先生もいらっしゃいました。何度か抗議したのですが改善どころか返事もありませんでした、、)
そんな中、先生の最後のコメントでは元気をもらえたし、本当にわかりやすいレジュメで頑張れました。私の理解力がまだまだ足りないのでレポートで大したことが書けないのが申し訳ないくらいです。しっかり復習します!
ぜひ先生の授業をライブで受けてみたかったです、機会があればまた受講します!

ありがとうございました!」(〇〇は苗字)

「私は前期だけですが、半期ありがとうございました。読むのが嫌になった時もありましたが、読むと面白いことが書かれていたり、最後の先生のメッセージに救われていた部分があったので頑張れました。オンライン授業が続くと思うと憂鬱ですが、先生方も私たちのために頑張ってくださっているので、私も課題に打ち勝とうと思います。ありがとうございました。」

「前期の間、ありがとうございました。担当教員よりの部分を楽しみにしていました。教育法・行政では、教師としてあるべき姿について触れながらも教師の置かれている現状や制度体制を理解することができ、とても勉強になりました。慣れないオンライン体制でしたが、お疲れ様でした。」

「前期ありがとうございました。
金曜日はこの授業を含め、唯一楽しみにしていた日でした。4コマ入っていましたが、どれも面白かったし、うまく課題もできた気がします。後期はどうなるか分かりませんが、とりあえずコロナにならず、本当に収束を願うのみです。」

自分が学生だった頃、楽しみにしていた授業なんてあったかな…

敵対心むき出しで授業を聞いている学生のいる大学の講義も過去には経験したことあって、文字だけのやりとりだとそれが不安ではあったのだけれど、今回は素直で反応のいい学生が多かったので助かったなと思う。