新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、全国の公立学校が一斉休校になったまま春休みに突入し、夏に控えたオリンピックも延期になって、この週末は「不要不急の外出自粛要請」までも発令されて、東京都はこれからどうなっていくのだろうか…と先を見通せない状況だ。
尊い日常がこんなにも容易く奪われてしまうことに、違和感を禁じ得ない。
自分の身の回りのことで言えば、子どもの保育園は通常通り開所されているが、「可能なご家庭はできるだけ自宅で保育を」との要請が張り出されている。
3月21日(土)に行われた卒園式は縮小され、その後の謝恩会は、先生方への記念品の「贈呈式」というかたちで会食なしに簡易化された。
それでも、親も子ども達も先生方も涙涙の式になり、こうした心の通う機会が奪われなくて本当によかったと思った。
4月からスタートする大学の授業は、5月のGW明けに開始が延期された。
授業回数も、もともとオリンピック開催のため前期は14回の予定だったが、結局11回に減った。
予定していた講義内容は、どれも今を生きる学生達にとって大事な内容なため、どこをどう工夫して行うか、これから考えていかなければならない。
こうした状況にあっても、いかに学生達の学習権を保障するかという視点は、見失ってはならないと思う。
秩序の安定と個人の自由は、時として背反するもので、今まさに秩序の安定のために「不要不急の外出自粛要請」というかたちで個人の自由が制限されている。
しかし政治が「協力しなければ都市を封鎖する、ロックダウンだ」と大衆の不安を煽って(しかもオリンピックの延期が決まったとたんに)、大衆はスーパーとドラッグストアに駆け込む。
狭いスーパーで我先にと食材を買い込み、密接した空間で長い行列を作り、そこで感染拡大したら本末転倒ではないか…
言うこと聞かない若者が街に繰り出して騒ぐからウイルスがばら撒かれるって言うけど、健康なのに何日も家にこもって散歩もしないなんてとてもじゃないけど健全とは思えない。
個人個人が、栄養とってしっかり睡眠とりながら免疫を高め、最大限の予防策を講じることがウイルスに打ち勝つためにやるべきことであって、単に「出歩かないこと」が感染拡大の抑制にはならないのでは。
人間がコントロールできることには限界がある。
そのことを自覚しながら、政治が何と言おうと尊い日常を普段通り過ごしたい。