Agenda de tous les jours

残すためではなく気づくため。自身の省察のためのブログです。

博士論文

今日は,所属している大学院で開催された「博士論文の援助システムに関する説明会」と「博士論文発表会」に出てみた。
「説明会」は,要するに,指導してくれる先生を3名つけて博士論文を3年以内で完成させられるよう指導(援助)体制を確立したらいいんじゃない?というもので,30分足らずであっさり終了。
援助システムの説明に加え,文献検索の方法なども駆け足だったけれど改めて体系的に教えてもらうことで勉強になった気がする。
「博士論文発表会」は,昨年から今年にかけて実際に博士論文を提出し,学位を取得した2人の先輩方の博士論文執筆体験記を聞く時間で,だいたい1時間半ほど設けられた。
博士論文を書くまでの困難や,執筆のプロセス,書き上げるための心理的なマネジメントの仕方,博士論文を書くとどんないいことがあるのか,といった,普段周りにいる先輩方からは聞くことのできない話を聞くことができて非常に興味深かった。
博士論文はよく「足の裏の米粒」(とらなきゃ気持ち悪いけれどとっても食えない)というけれど,職に就きながら10年以上かけて書くことが一般的だった名残(?)はまだまだ自分の周りには多く,たいてい准教授クラスの先生たちにそういうことを聞く機会が多い気がする。
なので,所属しているコースや専攻している分野は違えど,自分と歳の近い先輩方が書いてみて思うことや後輩にアドバイスしたいことなどを話してくれて,それを聞けたのは非常にいい機会だったように思う。
それぞれ研究には自分のペースというものがあってしかるべきとは思うものの,博士論文自体をどういうものとして捉えるのか,どういう風に完成に近づけていくといいのか,それと同じことかもしれないけれどどうしてなかなか書き上げられないのか,ということは,「成功者」から学ぶべきところが多いように思った。
全体として今日出てみた会は,博士論文はもう10年も20年もかけて書き上げるものではなくなっている時代なのだから出来るだけ早めに書き上げて出してしまえ,ということだった。
だけど早く書き上げることと同じくらい,あるいはそれ以上に重要なのは,これまで出されてきた重厚でハイクオリティな博士論文と肩を並べられるくらいの,恥ずかしくないクオリティをどのように担保できるかな気がする。
早く就職したい,一方で早く博士論文も書いてしまいたい,そんなこんなで気持ちばかり焦ってしまうけれど,今は「ちゃんと」研究して,欲を出さずに確実に博士論文への道のりをとりあえずは歩もう,と改めて…(←最近こんなのばっかりだなぁと思った。もっと社会派にならなくては!)。