Agenda de tous les jours

残すためではなく気づくため。自身の省察のためのブログです。

年の瀬に思う

もう今年も残すところ今日を入れて五日となった。
お仕事の方も、今年度からお世話になっているW大学の図書館は今日が年内最後の開館で、図書館内にある個人ブースのロッカーにこっそり置かせていただいていた研究資料を一旦撤去せねば…
明日はT大の出身研究室の何人かで研究会&忘年会で、実質的には仕事納めとなる。
29日からは子ども達の保育園もお正月休みに入るので、家族との時間を楽しみつつ、家の大掃除をする予定。
そういえば、お正月休みに読もうと思ってアレ買った↓

漫画 君たちはどう生きるか

漫画 君たちはどう生きるか

なにやら今年バカ売れしているらしくて…
大学生の頃、これの文庫(↓)を恩師に薦められて読んで以来、自分の中で五本の指に入るくらいの良書となっている。この本を輪読してゼミの仲間達と議論したことも懐かしい。
君たちはどう生きるか (岩波文庫)

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

大学で非常勤の授業をしていた際、授業でも色々な本を紹介し、大学生には「本は学生時代にいっぱい読んでおいた方がいいよ」と口をすっぱくして言っていたのだが、「先生のおすすめの本は?」と聞かれると必ず挙げていたのがこの本だった。
この本の著者は雑誌『世界』の編集長だった吉野源三郎
1937年に新潮社から出版され、戦後は語彙を平易にするなどの変更が加えられて未来社(1954年)やポプラ社(1958年)、講談社(1963年)から出版され、岩波文庫として世に送り出されたのが1982年。
今年、マンガとしてリバイバルされることになった経緯についてはなんかのネットニュースで読んだのだけど、なぜ今、『君たちは…』なのだろう。なぜ今、コペル君なのだろう。
マンガとなったこの本をお正月休みにゆっくり読み返して考えてみたい。
全然話は変わるけれど、先週の金曜日に最終回を迎えた『コウノドリ』。
毎回感動して泣いて心がザワザワした。
おかげで今となってはすっかりコウノドリロスですよ…。
最終回で話題になった『オランダへようこそ』↓
https://dorabare.com/kounodori-netherlands(最終閲覧:2017/12/27)
ホント、良い詩だと思う。
ドラマやこの詩を通して、改めて出生前診断の意味と、障害をもつ子どもを出産するということについて考えさせられた。
自分だったら、もしダウン症の子どもでも受け入れ、愛おしく思うことができる、と思っているし、そう思っていたから実際、出生前診断もしなかった(そりゃ多少の不安はあるけれど…)
「そう言うのは簡単」ということで、ドラマの中では、いろんな家族の事情や不安が描かれていた。
出生前診断をし、結果を聞き、産むも産まないも確かに選択はその子を育てなければならない親に委ねられるべきだけど、経済的な事情によって子どもを諦めなければならない社会というのはやっぱり嫌だと改めて思った。
きれいごとに聞こえるかもしれないけれど、“現実”に向き合うことだけではなく、「“理想”を語る人がいないと先に進めない」という、ドラマの中で四宮がサクラに言った言葉が印象的だった。
それぞれの“理想”を突き合わせた先にどういう未来があるのか、どのような未来を自分の子ども達に残せるのか…
自分の研究も、そういう作業の積み重ねの本の一部にでもなれば本望だと思う。
なんだかまとまらないけれど、とりあえず、また新しい一年が目前に迫っている年の瀬にいろいろ思う。